本と言葉

#172 心に響いた言葉【生と死と愛】

 

今回は分野を限定して、心に響いた言葉を選んでみた(^_^)/

選んでる時、やっぱり残してる本は偏ってるなーと思いながら、改めて自分が探求したいものは生と死と愛なんだなーとしみじみした。

 

愛情に飢えてた私は、愛ってなんだろう?愛するってなに?愛されるってどんな感覚?っていう幼少期からの自問自答に答えを探すように今でも愛についての本を読み続けてる。

たぶん死ぬまで愛について知りたい欲求はなくならないと思われる(*´∀`*)

 

死について考えることは生について考えることだと思ってて、22歳の頃の介護の仕事がきっかけで死生学に興味を持った。

当時は看取りが多くて、ただただ悲しくて泣きながら死亡処置して、耐えられなくなって退職したことがあった。

一度福祉から離れて休んだ後、看護大学に進学してからは死生学を学んで、自分の死生観が変わって今は看取り看護はやりがいを感じるようになった。

自分が死と向き合う助けにもなってるよ(^_^)b

 

そういうことで、死生学と愛についてをメインに選んでみた(^_^)b

生と死と愛

 

1.「生きることと愛すること」

W・エヴァレット

 

【永遠を求める人間】

完全な幸福をこの世において獲得することはできない。私たちはみな不安であり、たえずなにかを追い求め、渇きを覚え、なにかを欲している。

人間は楽しみに飽きることはあっても、喜びに飽きることはない。飲酒やサイクリングは度を越せば苦しみに変わる。

しかし、良心や愛の喜びはけっして苦しみに変わることはない。人生において私たちが感じることのできる楽しみは、年とるにつれて減少してゆくが、喜びは増えつづける。

 

 

フランクル―「言語治療」からの引用。

強制収容所から妻に対しての感情について書いた。

妻、両親、兄はみな収容所で死亡。フランクルと妹だけが生き残った。

 

私の深い愛や思考、そして最愛の人の映像には、なにものも手を触れることができなかったからである。

もし、妻が亡くなったということを知っていたとしても、それによって、彼女の姿を思い浮かべ、瞑想にふけることを妨げられなかっただろうし、彼女との精神的な対話は生き生きとしたものであり、満足すべきものであったにちがいないと思う。

「あなたの心に私の捺印を押してください。愛は死と同じくらい強いものなのです。」

 

2.「愛するということ」

エーリッヒ・フロム

 

・愛、それは人間の実存の問題にたいする答え

 

・愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけるということである。

 

・人間が自分で意味を与えないかぎり、人生には意味がない。人間は、他人を助けないかぎり、まったく孤独である。


 

3.「生きがいについて」
神谷美恵子

あなたを救うために私の苦しみを捧げることができるのだったら、苦しむことなどなんでもありません。


 

4.「エピクロス 説教と手紙」

死はわたしたちに無関係である。
なぜなら、わたしたちの存在するかぎり、死は現に存在せず、死が現に存在するときは、もはやわたしたちは存在しないのだから。


 

5.「人生の短さについて」

セネカ

 

・いったい、どうしてこんなことになってしまうのだろう。

それは、あなたたちが、まるで永遠に生きられるかのように生きているからだ。

あなたたちが、どれだけたくさんの時間が過ぎてしまったかを、気にもとめないからだ。


 

6.「モンテーニュ」

保苅 瑞穂

 

(エセーから引用)

われわれは愚かなことにただ一種類の死を恐れているが、すでにわれわれはいくつもの死を通過したのであり、いまもまた他の多くの死を通過しているのである。

なぜなら、ヘラクレイトスが言ったように、たんに火の死滅が空気の誕生であり、空気の死滅が水の誕生であるからというだけでなく、それよりもっと明白に、われわれはそれを自分自身のなかに見て取ることができるからだ。

(中略)

昨日という日は今日の中に死んで、今日は明日のなかに死ぬだろう。なに一つ止まるものはなく、なに一つつねに同じであるのもない。

(中略)

そして、もしもそれが同じでないならば、それはまた存在してもいないのである。

 

人間も含めて自然界にあるものはすべて流転していて、「生まれたか、生まれつつあるか、死につつあるか」のいずれかであって、存在といえる段階に達することがない。


 

・ホラティウス(古代ローマの詩人)の言葉

「今日という日を摘め Carpe diem」

(今を生きるって映画でロビン・ウィリアムズのセリフでも引用された)

 

★モンテーニュもホラティウスもセネカも、「今を生きろ」と教えた。

 

7.「人間らしい死に方」

シャーウィン・B・ヌーランド

 

死によっても絶対に断ち切られることがないと信じずにはいられない唯一の絆、それは愛だ。

われわれが死につながるその時期に捧げていると思うものが愛だとするなら、それが死を「よき」ものにするのではなかろうか?

死をよきものにできる何かがあるとしたらの話だが、それとてひどく主観的なものだ。


 

8.「死すべき定め」

アトゥール・ガワンデ

 

何が起こっているのかを理解する能力を失った重度の認知症の患者であっても、意味と喜び、満足を感じられるような生き方をすることが可能である。

必要な薬がどれだけ減ったか、どれだけ長く生きたかに比べると、生きていることにどれだけ意味を見いだしているかを測定するのははるかに難しい。

しかし、それ以上に重要なことはあるだろうか?


 

9.「自由への長い道 上下」

ネルソン・マンデラ

 

人物:1964年、反アパルトヘイト運動による国家反逆罪で27年間投獄され、その後南アフリカ大統領となる。

獄中ではイギリス人から屈辱的な扱いを受けながらも白人の歴史や文化を学んだ。

長い間刑務所に収監されていたにもかかわらず、「私は自由だった」と言った(自分の心は誰ものも拘束はできないという信念かな)。

誰もが自由で平等な社会を作るため尽力し、世界中から愛され信頼された人。

 

 

「生まれたときから、肌の色や育ち、宗教で他人を憎む人などいない。

人は憎むことを学ぶのだ。

もし憎しみを学べるのなら、愛を教えることもできる。

愛は、憎しみに比べ、より自然に人間の心にとどく。」



 

10.「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」

樋口 耕太郎

 

誰かの幸せに役に立つことができたと感じた瞬間、人は、自分に価値があると思える。

自分とはまったく利害のない人の役に立つことができたと実感して夜眠りにつくことは、私に生きる意味を与えてくれた。

自分が人の役に立っているという実感は、他人を幸せにする以上に、自分を幸せにしてくれる。

他人を癒す力は、自分を活かす力でもある。


 

樋口氏は、人が自分を愛し、自尊心を回復するために必要なことは「その人に関心に関心を注ぐこと」と言っている。

 

 

 

生き方、その他

 

1.「どうしてもがんばれない人たち」

ケーキの切れない非行少年たち2

宮口幸治

 

―支援者は何をどうすればいいのか―

「何でもないことをいくら褒めても彼らの心に響かない。しかし、彼らが一生懸命やったことに対しては、心からの感謝の一言だけで響く」


 

 

2.「生きるための哲学」

岡田尊司

 

非行に走ることにも意味がある。

C.G.ユングがうつ・アルコール依存症にアドバイスした話。
「ユングは、善良すぎてはいけないと警告し、自由だと感じているかと私に改めて訊きました。
彼はどちらかというと、少しばかり恋の遊びに興じるのを推奨して、愛人を持つのがいいかもしれないから考えてみるように、といいました。」

倫理や善行という価値観から道を踏みはずし、「非行」をすることも、生きるためには必要だということを教えようとしたのではないか。
人間が生きることにとって、正しいことがつねに正しいとは限らないのである。


 

3.「ゆるすということ」

ジェラルド・G・ジャンポルスキー

 

ゆるしって万能薬だよ。


 

 

4.「あなたが世界を変える日」

セヴァン・カリス=スズキ

 

12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ

 

オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。

死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。

絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。

そして、今は砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。

どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。


 

5.聖書

箴言6―6(旧)997

 

怠け者よ、蟻のところへ行って見よ。

その道を見て、知恵を得よ。


 

6.何年も前にネットで見かけた住職の言葉

 

「何が私を苦しめているのか。

自分が握りしめているその物差しです」

 

 

辞典

 

1.獣神の辞典(小説哲学辞典)

木村晃郎

 

●一夫一婦制

一対の男女を、一生むすびつけて、行動の自由を制限し、三角関係をさまたげ、管理しやすくする、巧妙な社会制度。

 

●結婚

人生における最大のかけ事。

しかし多くの人は、この事に関して、競輪競馬の予想をするほどの努力さえ、やらない。

それは何故であろう。

若き日の人間は、愛情はすべてを解決するという、古来よりの愚言を、変わらず、固く信じているからだ。

 

●ペット

飼い主より顔立ちがいい、かわいい動物。

自分より美しいのだから、かわいがるはずだ。


 

2.笑死小辞典

フィリップ・エラクレス他

 

ウッディ・アレン(1935-)アメリカの映画監督、俳優、コメディアン

私は死を恐れないが、死が訪れたときにはできるだけ留守を使うようにしたい。


 

 

終わりに

 

毎日病む人と共にいたから、患者さんやご家族、スタッフや本から学んで、自分の偏りや価値観を問い直したりしてきた。

それは一生続くと思う(^_^)b

善い人間になりたいし、善い看護師になりたい。

本はその助けになってくれる。

 

他にも紹介したい本があって、あと学生時代の忘れられない教授の言葉とか、またブログにするからよろしくお願いします!(^o^)!

 

【死生学】

 

 

【休息の模範】

 

 

 

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