心臓に関すること

#24 心臓のお話①

心臓病と聞くと、『命に関わる病気』『突然死』『こわい病気』といったイメージがあると思う。間違ってはいない。

ただ、そんなにこわがらなくても済むよう、なにより予防が大事になる。

 

私は心臓病を発症してしまったから、私や心臓疾患がある人は、これからの人生、今の身体機能を維持すること、悪化させないことが大事で、健康な人たちは心臓病の予防が大事になる。

 

人間、生きている限り、《予防に勝る治療はない》ほんとうに、そう。

病気をしてから切実に思う。健康より価値のある財産はない

 

自分の心臓をイメージしながら読んでみてください(^_^)/

 

アメリカの内科医の権威ウィリアム・オスラーは『人は血管とともに老いる』という名言を残している。

歳を重ねれば必然的に血管も歳をとり、高齢になるほど動脈硬化や高血圧になりやすくなる。

2021年、厚労省の統計によると、日本人の死因第2位に心疾患がきている。(第1位悪性新生物、第3位老衰)

ということは日本人は心臓病で多くの人が亡くなっていることがわかる。

 

 

心臓の役割

体中に循環した血液は心臓に戻り、新鮮な酸素を取り入れて再び送り出される。

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしている。

つねに働き続ける心臓自体は筋肉でできていて、この心臓の筋肉を「心筋」と呼ぶ。

 

➡心臓はポンプの役割をしている、というのは、血液という液体を全身に送り出す役割をしている。

➡どうやって送り出しているか→心臓が縮む、つまり収縮することによって、血液を送り出している。

➡体中に循環した血液はどうやって心臓に戻るのか→拡張することでできる。心臓が膨らむことによって、血液は心臓に流れ込むことができる。

 

心臓は「縮んで」血液を送り出し、「膨らんで」再び血液を流入させる。

この収縮と拡張を自動的に繰り返す筋肉が心筋で、この心筋によって、心臓は収縮と拡張を繰り返している。

【心筋梗塞】の心筋は、この心筋のこと。

梗塞は、心筋に流れている血管がふさがるということ。

 

心臓の構造

心臓の位置は、胸の真ん中にある大きな血管にリンゴのようにぶらさがっている感じ。ほぼ中央にある。(だから胸骨圧迫(心臓マッサージ)は両方の乳房の間を圧迫する)

心臓は、円錐形(えんすいけい)をした、中が空洞の筋肉組織で、大きさは大人の握りこぶしくらい、重さは成人で約300グラム程度。

空洞の中は4部屋に分かれていて、右心房、右心室、左心房、左心室がある。

右心房には大静脈(血液が戻ってくる血管)が、

左心房は肺静脈(肺から戻ってくる新鮮な血液)がつながり、

右心室からは肺動脈(戻ってきた血液を肺に送り新鮮な酸素と栄養を交換しにいく)が、

左心室からは大動脈(肺で交換された新鮮な酸素と栄養を全身に送り出す)が出ている。

各部屋を仕切ってるドアが「弁」といって、

右心房と右心室の間のドアが三尖弁(さんせんべん)、左心室と左心房の間のドアが僧帽弁(そうぼうべん)、そして、右心室から肺への出口が肺動脈弁、左心室から全身に血液を送り出す出口が大動脈弁。

心臓の拍動、ドックン・ドックンと聞こえる音は、これらの弁が閉じたり開いたりする音。

 

心房が上半分、心室が下半分にあり、心房は戻ってくる部屋、心室は送り出す部屋と覚えるとGood

全身に血液を送る左心室は、収縮力が4部屋の中で1番必要だから、心筋がもっとも厚い。

※心房より心室に障害が起こると非常にまずい。血液が送り出せなくなると生命維持が難しい。(胸骨圧迫は外部から心臓を圧迫することによって物理的に血液を送り出す行為:特に脳へ送るのが目的)

 

 

心臓の電気信号

心臓は電気的な活動が行われている。

心臓の拍動は、電気的な信号でコントロールされている。

心電図は、心臓の電気的な信号を観察して図にしたもの。(心臓・電気・図)

筋肉に電気を通すと、収縮するという原理がある。

心臓は心筋という筋肉でできているから、その細胞ひとつひとつに電気で動く活動電位というものをもっている。

こうして活動電位の司令塔から電気信号が送られて、心臓(各4部屋)が収縮・拡張を繰り返すことができる。

(ペースメーカーは人工的に電気信号を送る役割をしている。)

 

 

★ここまで読んでくれた皆さんに豆知識

「ネクタイは心臓のお守りなのか」

クロアチア人は首に布を巻いておくと、心臓が守護される、と信じていた。

1656年、フランス国王・ルイ14世が、勇猛なクロアチア人を”外人部隊”として雇兵したとき、花の都のパリを行進した彼らは、全員色鮮やかな薄手の布を首に巻き、のど元で結んでその余りを胸にたらしていた。

このカッコイイ”心臓のお守り”がすっかり気に入ったルイ14世は、早速フランス軍の制服にも採用し、自身もレース入りのものを作らせて着用したという。

これが今日のネクタイの始まりで、フランス語ではネクタイをクラバット(クロアチアの軽騎兵を意味するクロアットがなまったもの)といっている。

 

 

〈参考・引用文献〉

・「心臓が危ない」長山雅俊(心臓専門医) 著、祥伝社新書 2009

・「イメカラ(イメージするカラダのしくみ)循環器 第1版」医療情報科学研究所 西田 他著、㈱メディックメディア 2010

・「カラー版 医学ユーモア辞典 改訂第3版」長谷川榮一(医学博士)著、エンゼルピアジャパン㈱ 2008 p344

・「解剖生理をおもしろく学ぶ」監修 増田敦子 医学芸術社 2013

 

 

POSTED COMMENT

  1. Sachan より:

    医療人でなくても分かりやすい内容!
    素晴らしい講義をありがとう❣️
    再認識したよ。
    そして、その知識を生かすべく身体を大事にネ‼️

  2. チチ より:

    sachanさんコメントありがとうございます!
     そう言って頂けてとても嬉しいです。今後もがんばるのでよろしくお願いします( ╹▽╹ )

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